空回りの言葉の意味!恋愛・仕事で空回りする人の特徴&対処法

「仕事や恋愛で頑張っているのに、なんだか空回りしている気がする」と感じることってありませんか。そんな「空回り」という言葉の意味や使い方、空回りしているときの気持ちや行動の特徴について解説します。また空回りしていると感じたときの対処法など、恋愛に関する相談も数多く受けている心理カウンセラーの小日向るり子さんに詳しくお話を聞きました。

「空回り」とは?意味や言葉の使い方



「空回り」とは?意味や言葉の使い方

空回りとは、「車輪や機関がうまく作動せず無駄に回転すること」や「物事が発展せず、同じ状態を繰り返すこと」という意味を指す言葉です。転じて、やる気はあるけれど気持ちだけが先走り、行動や結果が伴わない人のことを「空回りしている」と表現することもあります。

恋愛の場面では、好きな人への気持ちが強すぎるあまり一方的にアプローチをする、相手に合わせすぎるといった行動により、逆効果を生んでしまうことを「空回り」と言ったりします。また仕事においても、目的や目標を見失い、本来やりたかった仕事とは別の業務に時間を使ってしまうことなどが挙げられます。


空回りしているときの気持ちの特徴



空回りしているときの気持ちの特徴

実際に空回りしてしまうときには、どのような感情が働いているのでしょうか。

やる気だけが強い


やる気があるのは良いことですが、空回りしているときは、気持ちだけが先走りして行動が追い付かないことが多いです。

例えば仕事の場合、たくさんの構想やアイデアを上司や同僚に話したりメールで伝えたりして盛り上がるのですが、「それを企画書にして提出して」と言われると、一向に企画書が出来上がらないというケースは珍しくありません。恋愛においても、「恋人が欲しいから紹介して」と言っている割には、いざ紹介されると「その日は都合が悪い」「仕事が忙しくなって」など、実際に会うという行動に結び付かないことが多いでしょう。

本人に悪気はありませんが、あれもこれもやりたいという気持ちだけが強くなってしまい、うまくやりくりができず、具体的な行動を起こすことができません。

深読みしすぎる


この心理は片思いの相手や別れた後に復縁を望む相手など、恋愛対象に対して起こりやすい感情と言えます。昨今はSNSなどに好きなものや日々のことを投稿している人が多く、相手がつぶやいた言葉や写真に対して深読みをしやすい環境にあります。それらをチェックし、「この投稿は自分へのメッセージかもしれない」と深読みをして、思い込んでしまうことがあるでしょう。

こだわりが強すぎる


こだわりを持つこと自体は、決して悪いことではありません。しかしその思いが強すぎると、行動に対してもこだわり過ぎるようになり、結果として空回りに繋がっていきます。

例えば仕事で、自分の理想とする資料作りに固執するあまり、気が付けば過剰労働になっているケースです。この場合、労力の割に評価が得られないことが多く、本人は空回り感だけではなく、疲労感にも苦しむことになります。


空回りしているときの行動の特徴



空回りしているときの行動の特徴

空回りしているときの気持ちや感情に続いて、行動の特徴についても見ていきましょう。

優先順位が付けられない


やることは分かっているものの、「あれもしなくちゃ、これもしなくちゃ」と目の前のことでいっぱいになってしまい、優先順位を付けることができません。作業が中途半端になってしまうため達成感や充足感を得ることができず、さらに完璧主義の傾向のある人は、半端な状態に対して自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。

余計な言動をしてしまう


後から冷静になると「余計だった」と思えるのですが、空回りしているときは周りが見えていないため気が付くことができません。

初デートで付き合うかも決まっていない状態なのに、「結婚したら子どもは●人欲しい」「こんな間取りの家に住みたい」など、結婚後の理想を話していたり、相手との沈黙に耐えられず、自分だけが話し続けてしまったり、余計な言動が増えていきます。空回りしていることに気が付かず、言動がエスカレートしてしまうことが多いでしょう。

物事を進めることができない


空回りしている気持ちの特徴として「こだわりが強すぎる」がありましたが、この思考になると物事を前に進めることができなくなります。

例えば頻繁にコミュニケーションやデートを重ねて順調に恋愛を育んでいるのに、「でも告白はされていない」と、告白にこだわってしまうケースです。自分からふたりの関係性を確認すれば良いだけなのに、「告白されること」にこだわってしまい行動が起こせなくなってしまいます。

仕事においても、企画書の中に説得力のあるデータを入れることにこだわるあまり、データ集計に時間をかけすぎてしまう、レイアウトが統一できないなど、一人でジレンマに陥り物事が停滞していくでしょう。


空回りしているときの対処法4選



空回りしているときの対処法4選

自分が空回りしていると感じたときに、どのように対処すれば良いのかポイントを見ていきましょう。

目的を再確認する


空回りしているときは、こだわりや焦りから本来の目的を見失いがちです。例えば資格を取得することを目標に専門学校へ通うことを決めたとします。この場合、目的は「資格の取得」です。しかし空回りしているときは、学校に行く資金を貯めるために始めたアルバイトで心身を酷使していたり、学校選びで頭を悩ませていたりと、本来の目的以外のところで疲れていることが多々あります。

空回りを感じたときは、「自分は何が目的で、この行動を取っているのか」という原点に立ち戻り、目的を再確認しましょう。

やるべきことを書き出してみる


「優先順位を付けることができず困った」というときに試すと良い方法です。頭に思い浮かぶ「自分がやるべきこと」をランダムに紙に書き出すことで、思考が整理されるでしょう。そして、書き出したものに優先順に番号を付けたり、不必要なものを斜線で消したりしていくと、やるべきことと優先順位が見えるため、心が落ち着いてきます。

リフレッシュする


空回りしていると感じたら、うまく進んでいない物事から完全に離れ、思い切ってリフレッシュをしてみましょう。すべてを忘れるくらいの気持ちで「なるようになれ!」と開き直り、好きなことだけに集中するのがポイントです。思考を一度ゼロベースに戻すことで、焦りやプレッシャーから解放され、スムーズに行動できるようになるでしょう。

ルーティンを大切にする


空回りを防ぐためには、リラックスすることが大切です。焦っているときこそ、生活を規則正しく送るように意識してみましょう。リラックスして心が落ち着けば、冷静な判断や行動が取れるようになるはずです。

そしてルーティンの中には、コーヒーを豆からひいて飲む、天気が良ければ布団を干す、お風呂に湯をためてゆっくり浸かる、サウナに行くなどの「自分の心を整えられるルーティン」を入れておくと良いでしょう。


気持ちが空回りするときはまず深呼吸!



気持ちが空回りするときはまず深呼吸!

気持ちや行動が空回りするというのは、誰にでもあることです。空回りするのは、根底にやる気やこだわりなどの一生懸命な気持ちがあるからであって、決してすべてが悪いわけではありません。

前向きな気持ちは大切にしながら、リフレッシュをして気持ちを落ち着かせたり、改めて目的を再確認したりして、客観的な自分を取り戻していきましょう。自分を責めずに気持ちを切り替えていけば、物事は楽しい方に好転していくはずですよ。


取材・文/高坂晴奈


【監修】
小日向るり子さん
「カウンセリングスペースフィールマインド」代表。心理カウンセラー。一般社団法人 日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー。JAAアロマコーディネーター。恋愛、人間関係、メンタルヘルスなど多くの悩みにカウンセリングを行っている。恋愛や心理系コラムの執筆やメディア出演、監修も多数行っている。2023年4月までの相談件数は約5500件を超える。
オフィシャルサイト:http://feel-mind.net/
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