言霊とは?口にした言葉は本当になる?言霊の力を取り入れるコツ

「なんだか最近、ネガティブなことばかり口にしているかも……」。そんな気がするときは、言霊の力を意識してみてはいかがでしょうか。言霊とは、よい言葉はよい未来につながるという、日本古来の考え方です。言霊とは何か、言霊パワーを取り入れるにはどうすれば?現代に生きる私たちを幸せに導く言霊の力について、『夢は宣言すると叶う』の著者、祐川さんにお話を伺いました。

言霊とは



言霊とは

言霊(ことだま)とは、古代、言葉が持っていると信じられた神秘的な霊力のことです。

言葉には「言霊」があり、発した言葉通りの結果が表れる力があると考えられていました。

言霊の効果って本当にあるの?



言霊の効果って本当にあるの?

大昔の思想のように感じる言霊ですが、実は現代にも息づいています。

例えば結婚式では「切れる」「別れる」という言葉を避けますよね。また死につながるとして、部屋番号や車のナンバーでは「4」を避けることもあります。こうした特定の場面における忌み言葉は、言霊思想に基づいているということができます。

縁起の悪い言葉を使うことで、悪い結果になってしまうと考える言霊思想では、「私なんて」「どうせ無理」「きっと失敗する」など悲観的な言葉は、自ら不幸をもたらしてしまうと考えられています。

言霊思想は、現代なら「アファメーション」と言い換えることができるでしょう。

アファメーションは「自分を肯定する」という意味を持つ、言葉の力を心理に活用する手法です。

自分が発する言葉を誰よりも最初に認識するのは、自分自身です。口に出すとき、何かを考えるときに使う言葉をポジティブにすることは、心によい影響を与えます。そしてこうした積み重ねにより、なりたい自分を目指します。

例えばアファメーションを活用し、「私は姿勢がきれい」と潜在意識に刷り込めば、ふと鏡に映った自分が猫背だったら違和感を覚えて自然と背筋を伸ばすでしょう。

ポジティブな言葉を自分のこととして捉える繰り返しで、願望を現実に導いていきます。活躍しているアスリートの中には、「大会で優勝する」「試合に勝つ」などの言葉でアファメーションを取り入れている選手もいます。

言霊の力を取り入れるコツ8つ!



言霊の力を取り入れるコツ8つ!

現代の言霊ともいえるアファメーションで、ポジティブな言葉が持つパワーを取り入れる方法には、どんなものがあるのでしょうか。日頃の言動に加え、なりたい自分につながるアファメーションのコツをご紹介します。

「すみません」を「ありがとう」に


何かの拍子に、つい「すみません」と言いがちなときはありませんか?

「すみません」は謝る言葉でもあるので、頻繁に口に出すと脳に「自分は何か悪いことをした」というネガティブなイメージを生じさせてしまいます。嬉しいことをしてもらったときは、「すみません」より「ありがとう」という方が、ポジティブな気持ちが生まれます。

褒められたら素直に受け取る


褒められたとき「そんなことないです」と謙遜することがありますが、素直に「ありがとう」と言うことをお勧めします。

受けた称賛を否定するのは、自分から自分へのネガティブメッセージになると同時に、相手の好意がこもった言葉を否定してしまうことになります。

なりたい自分を書き出してみる


アファメーションでは夢や目標を達成するために、なりたい自分の姿をポジティブな言葉で書き出します。

未来のキラキラした自分をイメージして、自由に書いてみましょう。「こんな私がこんなことを書いたら恥ずかしい……」と思う必要はありません。行きたい場所や欲しいものの写真を添えると、イメージがさらに固まります。

アファメーションは現在進行形で書く


アファメーションを書く場合、「私は〇〇です」「私は〇〇している」「私は〇〇した」など、現在進行形や完了形の文体で書きます。

過去がどうだったかは気にしなくてOKです。いまの自分がどうであれ、未来の理想の自分に向かうしっかりした道を進んでいると捉えましょう。

ネガティブワードを避ける


なりたい自分を書き出すとき、「負けない」「諦めない」「苦しまない」「焦らない」「失敗しない」「暗くない」などの「ネガティブワード+ない」という表現は避けましょう。

潜在意識には、助動詞の「〜ない」の平仮名のインパクトが小さく、「負」「諦」「苦」「焦」「失敗」「暗」というネガティブな意味を持つ漢字の影響を受けてしまいます。

ポジティブワードを選ぶ


アファメーションは「勝つ」「貫く」「楽しい」「冷静だ」「成功した」「明るい」などのポジティブワードで率直に表現しましょう。

聞いたときに気持ちが明るくなる言葉ってありますよね。それを積極的に使って書いてみましょう。

いろんなジャンルで書く


容姿、性格、経済、家族、友人、恋人、仕事など、あらゆるジャンルについてアファメーションを書き出します。

恋愛や結婚であれば、「理想の彼と素敵な恋愛をしている」「幸せな結婚をしている」「愛にあふれる家族と暮らしている」など、いくつでも思い付くままに書いてみましょう。

思いついたときに、書いたものを読み返す


なりたい自分像はノートに手書きでもいいですし、パソコンやスマホに打ち込んでもいいです。

思い付いたときにいつでも書き加え、朝起きたときや移動中や就寝前などに読み上げたり、部屋に貼って眺めたりするのもいいでしょう。何度も繰り返して読むことで、脳にそれを現実のことのように理解させます。

こんな書き方で言霊パワーを上げよう



こんな書き方で言霊パワーを上げよう

アファメーションで自分の願望を書き出すときに、意識したいテクニックを見てみましょう。理想の自分を眺めているかのように、できるだけ細部まで言葉にすることがポイントです。

より細かく書く


×「私はスポーツ万能」
〇「私はゴルフのシングルプレイヤー」
〇「私はスノーボードの選手権で優勝した」
〇「私は会社のフットサルチームのエース」

→万能とひとくくりにせず、種目ごとに設定しましょう。より細かく書くことで、脳は具体的にイメージできるようになります。

なりたい姿を具体的にイメージして書く


×「私は家を建てた」
〇「私は都心に、南向き5LDKの一軒家を建てた」

→不動産屋さんに発注するときのように、具体的にしましょう。都心よりも、具体的な地名、駅名等も指定した方がいいです。

シーンがわかるように書く


×「私は英語がペラペラ」
〇「私は外資系企業のエグゼクティブと英語で商談している」
〇「私は英語の通訳として活躍している」

→英語のレベルや用途はさまざまです。どんな場所でどんなときに自分がどうなっているのか、具体的なシーンをイメージしてみましょう。

数字は具体的に、理想を大きく書く


×「私は大金持ち」
〇「私は年収1億円」
〇「私は資産1兆円」

→大金持ちの基準は人それぞれです。具体的な数値目標を設定しましょう。あまり控えめにせず、ホンネの10倍くらいの数値設定でも構いません。

達成のための工程は細かく書き出さなくてOK


×「私は週に一度スポーツジムに通い、いつも生き生きとしてきれい」
〇「私は高級スポーツクラブで毎週いい汗を流している」
〇「私はいつも生き生きとしてきれい」

→生き生きときれいでいるために、毎週スポーツジムに通うことを条件にすることはありません。どうなりたいか、ありたいかを書きましょう。

日頃からよい言葉を使えばHAPPYに!



日頃からよい言葉を使えばHAPPYに!

自分で自分を否定するような言葉を避け、なりたい自分をポジティブな言葉で表現するアファメーションの力は新鮮。アファメーションを始めるに当たってなにか道具が必要なわけではなく、思い立ったら自分との対話の中でイメージを具体化していくのは、今日からでもすぐに始められそうです。

仕事や恋愛、人間関係ではいろいろなことがありますが、視点を変えることで気持ちが楽になる瞬間ってありますよね。つい湧き上がってくるネガティブな言葉ではなく、意識してポジティブな言葉を使うことで、うっかり見過ごしていた希望に気付くかもしれません。

現実に悩んだときこそ言霊の力を活用して、自分も周りも明るくするような、キラキラ魅力的な女性を目指したいですね。

取材・文/ぱう

【監修】

祐川京子(ユカワキョウコ)
新卒で第一生命保険に一般職入社し、十数年勤務。事務職、法人営業を経て、営業スキルの研修講師として生保レディや異業種のビジネスパーソン約5,000人に講演・研修を実施。その後、ベンチャーキャピタル、外資系金融機関等を経て、現在は経営層に特化した大手人材紹介会社のリクルートエグゼクティブエージェントにてコンサルタントに従事。八戸学院大学地域連携研究センター客員研究員なども歴任。
著書に『夢は宣言すると叶う』(中経出版)、『ほめ言葉ハンドブック』(共著、PHP研究所)、『キラリと輝く気くばり』『愛嬌力トレーニング』(以上、TAC出版)、『人に好かれてうまくいく「愛嬌力」』(共著、大和書房)、ほか。