気遣いとは?意味や気遣いができる人の特徴、具体的な言葉の例も

気遣いができる人って素敵ですよね。気遣いとは?心遣いとの違いは?英語や類語などの基本的なことから、気遣いができる人の特徴まで、気遣いについてコミュニケーションコンシェルジュの吉田正美さんに教えてもらいました。「痛み入ります」や「お気遣いをありがとうございます」といった、相手による気遣いの言葉の違いも例文を交えてご紹介します。

気遣いとは?心遣いと何が違うの?



気遣いとは?心遣いと何が違うの?

気遣いとは、あれこれと「気を使う」こと。神経を使って相手に何かをしたり、言ったりして、相手のことを気に掛けていることです。同じような言葉に、「配慮」「心配り」「気配り」などがあり、英語では「considerate」と言います。

混同しやすい心遣いとは、ベクトルが自分にあるか、相手にあるかという違いがあります。自己満足とか相手に良く思われたいといった、自分本位の思いが根底にある気遣いに対して、心遣いは心から相手を思う誠心誠意の気持ちがベースにあります。心遣いの方がより丁寧で、気持ちのウエートも大きいですね。

気遣いができる人の特徴



気遣いができる人の特徴

気遣いができる人にはどんな特徴があるのでしょうか。

気が利く


視野が広く、気が利くので、周りの人を幸せな気持ちにしてくれます。

例えば職場だったら、上司に「お子さんは今年が卒業ですね。おめでとうございます」と相手の情報を覚えていて、さりげなく伝えることができます。その上司は覚えてくれていたことを嬉しく思うでしょう。

いつも機嫌がいい


自分の機嫌を良くする方法を知っているので、いつも上機嫌でいることができます。また、気分や感情は伝染することを知っているので、マイナスの感情があったとしても相手に見せることはしません。

職場では、いるだけで笑顔や笑いをもたらしたり、落ち込んでいる友人には元気を与えたり……。その人がいるだけでその場が明るい雰囲気になります。

思いやりがある


声を掛けたり、困っている人がいたら助けたりと、思いやりや優しさを持っています。

友達が元気のない様子だったら「何かできることがあったら言ってね」と聞いたり、恋人が落ち込んでいたらあえてそっとしておいたりと、相手が言わなくても気付いて力になってくれます。

自分を大切にできる


自分を大切にできる人は、人や物にも丁寧ですよね。自己犠牲をしてでも「相手が喜んでくれるならそれでいい」という気持ちは、本当の愛情ではありません。

恋愛なら、彼のために生きて、すべてをささげるのではなく、まずは自分が幸せであることが大切です。

裏表がない


裏表がなく、誰にでも平等に接することができます。後輩にも上司や同僚と同じように接したり、レストランの人にも丁寧に対応したりと、人によって態度や言動が変わることはありません。

気遣いができない人の特徴



気遣いができない人の特徴

気遣いができない人の特徴も見てみましょう。

自分を優先する


自分が一番で、まずは自分を優先する人。友人と約束していてもドタキャンが多かったり、恋人と意見が合わないときに自分の意見を押し通したり……。

また、「〜してもらって当たり前」という考え方がベースにある人もいます。「部下にはこれをしてもらって当たり前」「男性におごってもらって当たり前」といった、自分本位で自分の価値観でしか考えられないタイプです。

人に優劣を付ける


人間性より肩書で人を見ます。友達でも自分の得にならない人は付き合わない、人付き合いを損得で考える傾向があります。職場では、上司の前と同僚や後輩の前では態度が違うというケースが多いでしょう。

日常に取り入れたい気遣いの言葉



日常に取り入れたい気遣いの言葉

さりげなく相手を気遣うには、どんな言葉を掛ければよいのでしょうか。日常で使える「気遣いの言葉」をシーン別に吉田さんに教えてもらいました。

相手の体調を気遣うとき


相手は体調が良くないので、「大丈夫?」と聞くのはNGです。ビジネスシーンで特に目上の人には、「何かできることはないですか?」「ご協力できることはありませんか?」と声を掛けましょう。

友人や恋人の場合も上司よりは砕けた言い方になりますが、「何かできることはない?」「無理しないでね」と、何か力になれることはないか相手に聞いたり、声を掛けたりするとよいでしょう。

相手がミスをして落ち込んでいるとき


同僚や部下の場合は、まずは話を否定せずに聞いてあげること。そして、「切り替えていこう」「どうやったら気分転換できる?」と落ち込んでいる状態から解放させてあげるような言葉がおすすめです。

恋人には「大変だったね」「それはつらかったね」と寄り添うだけでもいいと思います。アドバイスや解決策よりも、ただ聞いてあげる、共感する姿勢が大事です。

友人の場合は、解決策を一緒に考えてもいいですね。「一緒に解決策を探そうか」とか、「次にどうやったらできるか一緒に考えよう」といった、“一緒に”というワードが大切です。

相手の気遣いにお礼を伝えるとき


仕事の場合は、「いつもお気遣いいただき、ありがとうございます」と伝えましょう。

「あなたの気遣いをいつも見ています」「あなたの気遣いのおかげです」という思いを伝えたいので、「いつも」や「〜おかげで」という言葉は入れた方がよいと思います。また、上司になら「痛み入ります」とさらに丁寧な言葉で伝えてもいいかもしれませんね。

恋人には「あなたがいるだけで癒やされる」「パワーの源になる」など、「頑張れる」とか、「いてくれないと困る」といった意味を含むと男心がくすぐられますよ。

友人の場合は「今度は私が助けるね」とか「困ったらいつでも言ってね」と、「あなたに何かあったら私が助ける」とか、「次は私が」という気持ちを伝えましょう。

自分が嬉しかった気遣いエピソード



自分が嬉しかった気遣いエピソード

最後に、自分がされて嬉しかった気遣いエピソードを、20〜30代の男女にアンケートで聞いてみました。

●ドライブのとき友達が必ず飲物を持ってきてくれる。食べ物をこぼしたとき、さっとティッシュを出してくれた(25歳/女性)

●失恋したとき、友達が温泉や食事などリラックスできる場所に連れて行ってくれた(27歳/男性)

●仕事で疲れているときに彼が察してくれて、何も言わず家事をしてくれたこと(27歳/女性)

●会社の上司が私のさりげないひと言を覚えていて、誕生日にその会話の中にあったものをプレゼントしてくれた(24歳/男性)

●別の業務で忙しいときに、その状況を見た上司が通常の仕事を代わりにしてくれた(38歳/男性)

●持病があり、そのことを覚えていて気遣ってくれた(27歳/男性)

気遣いは、ちょっとしたことでも相手はよく覚えていて、嬉しいものです。“さりげなく”というところもポイントですね。周りの人の心を温かくしてくれる、気遣い上手な人を目指してみませんか?

取材・文/坂田圭永

【監修】
吉田正美さん
コミュニケーションコンシェルジュ。トークと立ち居振る舞いのナビゲーター。ナレーターコンパニオンや式典のMC、ブライダルの司会などに加え、大臣、総督のVIPアテンドを経験。その実績を生かした研修やセミナーの登壇回数は1600件以上に上り、印象をアップさせる面接指導は2000人を超える。すぐに実践できる研修内容に定評がある。
吉田正美さん公式サイト:https://yoshida-masami.com/

【データ出典】
・ゼクシィユーザーアンケート
調査期間:2021/6/29〜2021/7/9
有効回答数:19人(女性)
・ご自身に関するアンケート
調査期間:2021/6/25〜2021/6/26
有効回答数:309人(男性)
(インターネットによる20、30代男性へのアンケート調査 調査機関:マクロミル)