好きな人を忘れる方法。片思い、職場恋愛などケース別に解説

大好きな彼のことは、なかなか忘れられないものですよね。彼に夢中になればなるほど、彼と一緒にいて幸せな想像が膨らむもの。それなのに告白したら振られた、急に別れることになった、なんていう場合は気持ちの整理がつかなくて当然かもしれません。今回のセキララゼクシィでは、皆さんの「好きな人が忘れられなかった体験」を掘り下げてみました。

好きな人が忘れられなかった経験は?



好きな人が忘れられなかった経験は?

20〜30代の女性にアンケートをとったところ、「好きな人が忘れられなかったことがある」と答えたのは77.2%。恋愛のつらい気持ちを経験してきた仲間は多いといえそうです。

なぜ彼を忘れられなかったのか、その理由はこちらになりました。

・相手に振られたから(21.78%)
・急な別れだったから(20.79%)
・結婚すると思っていたから(11.88%)
・好みのタイプだったから(9.90%)
・お互い好きなのに別れることになったから(8.91%)
・他の人に奪われたから(6.93%)
・周囲の反対で別れたから(3.96%)
・その他(15.85%)

理由としては「振られた」「急な別れ」が多いようです。幸せな彼と自分の姿をイメージすればするほど、急に違う現実が訪れると混乱しますよね。「結婚すると思っていた」にもかかわらず、別れることになったというのもかなりつらい。まさに「好みのタイプ」だった場合も、残念過ぎてなかなか忘れられない気がします。

好きな人が忘れられないときの5つの処方箋



好きな人が忘れられないときの5つの処方箋

さて、そんな「好きな人が忘れられない」苦しい心の状態は、どうやったら解消できるのでしょうか。片思い、元彼、不倫、職場恋愛、友達の彼という5つのシチュエーションについて、心理カウンセラーでもある、株式会社インサイト・カウンセリング代表 大嶋信頼さんに伺いました。

片思いの彼が忘れられないときは


達成できなかったり中断したりしたことを、達成したことよりよく覚えている現象を「ツァイガルニク効果」といいます。片思いの場合「達成できなかった」ということになるので、実際に付き合った彼よりもよく記憶され、美化されたまま残ってしまうんですね。

こういうときは頭の中で「片思いの彼と思いを遂げて、そして老後まで」という未来を想像し、「達成された」状態をつくってみます。すると「え〜、そんなに美しくないかも」という感じで記憶が薄れていき、自然に忘れることができるかもしれません。

元彼が忘れられないときは


「彼との思い出の物を全部捨てる」のが簡単な方法。なぜなら、物に思い出が条件づけられているから。

パブロフの犬はベルが鳴ると「餌がもらえる」ことを繰り返されるうちに、ベルの音だけでよだれが出るようになります。それと同じように、彼との思い出の品を見ると「彼のことを思い出してしまう」ように、心が条件付けられているんですね。

これには「全部捨てちゃう!」ことが有効です。「もったいない」と思うかもしれませんが、彼のことを思い出して無駄にする時間に比べたら、絶対にもったいなくはありません。ぜひおすすめしたい方法です。



不倫相手(相手が既婚者)が忘れられないときは


不倫相手を忘れられなくなってしまうのは、「ダブルバインド」という催眠状態に陥ってしまうから。

「君と結婚したいけど、できないんだ」という彼の言葉には、「結婚したい」と「結婚できない」という、ふたつの相反するメッセージが入っています。すると頭が混乱して催眠にかかったような状態になり、「彼のことが忘れられない」となってしまうんです。

「君のことが大切だけど、子どもの運動会があるから会えないんだ」とか、「一緒にいたいけど、妻が感づいてしまうかもしれないから家に帰らなくちゃいけないんだ」というのも全部ダブルバインドです。悪い催眠をかけられ、彼に執着させられている状態です。

「彼のことが忘れられない!」となったら、「私はダブルバインドにかけられているんだ」と思えば、そこからすぐに抜け出せるかもしれません。催眠にかけられているとわかるだけで、催眠って解けるんです。

職場恋愛の相手が忘れられないときは


職場恋愛の場合、「相手のことが忘れられない」ケースに「嫉妬」が関係していることがあります。相手が異性と話をしていたら「ビビビッ!」と嫉妬の発作を起こしてしまい、「私はあの人のことが好きなのかも?」と錯覚を起こしてしまうんです。

嫉妬は「自分よりも低い立場の人間が、自分よりも優れたものを持っている」と感じることで起きる動物的な発作。私の方が彼のことを知っているのに、別な女性が彼の注目を浴びていると考えることで、自動的に発作が起き、嫉妬してしまうんです。

こういう嫉妬の発作が起きたら、嫉妬と彼が好きという気持ちは別であることを意識しましょう。嫉妬に振り回されない、自分が主体になる恋愛をしようと思うことで、嫉妬の発作を自分が輝くエネルギーに変えることができるかもしれません。

友達の彼が忘れられないときは


人間の脳には「注目を向けた人の脳をまねする」ミラーニューロンという細胞があります。

「緊張している人がそばにいると自分も緊張しちゃう!」ことってありませんか?これは脳が相手の緊張を真似てしまうから。

相手から伝わった緊張なのに、「自分が緊張している!」と錯覚し、「どんどん緊張が高まってしまう!」というおかしなことになってしまいます。そういうときは「相手から緊張が伝わってきているんだ」と認識すると、「あ!私の感情じゃない!」となって緊張から解放されます。

「友達の彼なのに忘れられない」となってしまうのは、単純にミラーニューロンで友達の脳をまねしているだけかもしれません。それを「友達の脳を真似ている」と思わず、「自分が彼のことが好きなのかも?」と錯覚すると、「どんどん忘れられなくなる」となってしまいます。

恋愛はいつか冷めるものですが、友達の感情を自分のものと錯覚してしまうと「全然冷めない」となってしまう。ちょっと寂しくなりますが「あ、これってあの子の恋愛感情が伝わってきているだけなのね」と思うだけで、その恋愛感情を自分のものにしなくなり、相手の幸せを祝福してあげられるようになります。

彼を忘れられない苦しさから、自分を解放しよう



彼を忘れられない苦しさから、自分を解放しよう

彼を忘れられない気持ちを抱えていると、その感情に支配されてしまいがちですが、客観的に自分を見ることで自分の感情を整理するテクニックはとても心強いですね。

恋愛からすべての苦しさを排除することは難しいかもしれませんが、なるべく明るく幸せな気持ちになる恋愛をしたいものです。そのためには恋愛の苦しさに溺れてしまう前に、自分の感情を客観的に見つめてみることが役立ちそうですね。

取材・文/ぱう

【データ出典】
・ゼクシィユーザーアンケート
調査期間:2019/10/16〜2019/10/25
有効回答数:79人(女性)

【取材協力】
大嶋信頼さん(おおしま のぶより)さん
心理カウンセラー。米国私立アズベリー大学心理学部心理学科卒。
アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研究生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長、株式会社アイエフエフ代表取締役を経て、現在、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。短期療法のFAP(Free from Anxiety Program)療法を開発し多くの症例を治療している。
著書に『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)、小説『催眠ガール』(清流出版)他多数。最新刊『片づけられない自分がいますぐ変わる本』(あさ出版)。