広島男性は熱しやすく冷めやすいラテン気質

広島男性には、新鮮な恋愛の演出が有効!?

地域によって方言や名物があるように、男性にもご当地の特徴があるのでは…? そんな疑問を調べてみました。今回は広島県の男性についてご紹介します。広島県といえば、映画『仁義なき戦い』の舞台となった街。「〜じゃけえのう」など、切れ味鋭い方言が印象的な地域です。そんな広島の男性は、どんな性格と恋愛傾向を持っているのでしょうか? 県民性研究の第一人者、岩中祥史さんに伺いました。

お祭りや勝負事が大好き! 熱しやすく冷めやすいラテン気質



広島といえば、瀬戸内海に面した温暖な気候の地域ですよね。穏やかな環境だとおっとりとした人柄に育つのではと思いますが、広島男性の性格の特徴はどんなことでしょうか?

「明治・大正・昭和(太平洋戦争前)を通じて、海外に移民した人の数が一番多いのが広島県。かつて海外移民といえばイチかバチかの大冒険で、よほど覚悟を決めなければ実行できないことでした。新しいこと、過去に例がないことに挑戦しようという意欲がことのほか強いのが広島の県民性といえます。アメリカのユタ州、ハワイ州、カリフォルニア州、南米への移民が多かったようで、ハワイでは昭和30年頃まであちこちで広島弁が聞かれたといわれています。

これと決めたことには猛烈に情熱を燃やし、すべてをなげうってでも、結果を出すまで頑張り抜きます。逆に、結果が出そうにないと判断すると、あっさり投げ出してしまう人も。それでも、弱音を吐いたり自己嫌悪に陥ったりはしません。世間体より、自分がどこまで満足できるかを重んじるのです。
また、事を起こす前に緻密な計算を積み重ねるわけではないので、後先を考えずに行動するおっちょこちょいな面も。どんなときも『なんとかなる』という、根っからの楽観主義者なのでしょう。

お祭りや勝負事が大好き。それに負けず嫌いなところが加わると、仕事や家庭に注ぐエネルギーがダウンするケースも。こうした、熱しやすく冷めやすい面を見て、『ラテン気質』などと評することもあるようです。
情熱的で、感情が表に出やすいため、うそをつくのは苦手。また、言葉が乱暴に聞こえるせいか、マナーが悪いとの見方もされます。プロ野球広島カープの熱い声援に象徴されるように、地元愛が非常に強いのも広島男性の特徴です」

広島男性は、初めて出会う個性的なタイプに弱い?



「こと恋愛となると、広島男性は非常に積極的。理由は単純で、恋は『楽しいこと』の中でも上位にランクされるからです。楽しみを追求する女性を好むのはある意味必然かも。また、『初めて』も大好きなので、それまで自分が接したことのない個性的な相手にはいとも簡単になびきそう。
ただし、自分の物差しに合わないと思えば、あっさり振ってしまうことも。また、恋愛以上に仕事や遊びが楽しいときは、そちらにより多くのエネルギーを注ぎます。女性との関係は二の次になり、長続きしない傾向も見受けられますね。

ただ、浮気率は18%で、47都道府県中45位(2013年の相模ゴム工業の調査による)。『初めてが大好き』だからといって、欲望の虜(とりこ)になり、パートナーを裏切ったりするようなことはなさそう。離婚率(1.74%)は47都道府県の20位ですから、ほぼ平均ゾーン。裏返して言うなら、『浮気」以外にはっきりした理由──多くの場合、それは自分の気持ちを満たしてくれるか──があれば離婚することもあるでしょうが、なければしないということです」

新しい世界への開拓精神旺盛な広島男性は、好みの女性のタイプも幅広いということでしょうか。見慣れないことに即座に拒否反応を示すのではなく、一旦受け入れてから判断するところにオープンなラテン気質を感じます。新しいことに惹かれる広島男性を狙うときには、新鮮な恋愛をアピールすることを意識するとよいかもしれませんね。(ぱう)


【取材協力】
岩中祥史(いわなか・よしふみ)さん
編集企画会社エディットハウス代表取締役。出版プロデューサー、ノンフィクション作家。これまで手掛けた書籍は800冊以上。著書は『名古屋学』『博多学』『札幌学』『広島学』『鹿児島学』『新 不思議の国の信州人』『新 出身県でわかる人の性格』『名古屋の品格』『城下町の人間学』『「いい夫婦」の旅術』など多数。