日常会話にも本音と建前は潜んでます

男性にも伝わる“本音と建前”の使い方

気になる男性にデートに誘ってほしい時に、「おいしいお店見つけたんだけど〜」なんて、遠回しに“誘って!”オーラを出しちゃうことってないですか?自分からははっきり言わないんだけど、なんとなく察してほしい!みたいな。でも、男性に伝わらないと意味ないし、自分から誘って軽いオンナだと思われるのもイマイチ。男性に対して、上手に“本音”を隠して“建前”だけで伝えるのは、どのような伝え方が効果的なのでしょう!?

そこで、心理学博士の伊東明さんに、男性に対しての“本音と建前”の使い方を聞いてみました。そもそも男性に“建前”だけで伝えて、女性の“本音”の部分は伝わっているものなんですか?

「残念ながら、男性には伝わっていないことの方が多いです。女性の会話の特徴として、相手の言うことを否定しない“共感型スタイル”が多いのですが、これがまさに男性には理解されない“建前”です。“共感型スタイル”というのは、心の中では違うと思っていても、『そうそう』、『分かる、分かる!』と言ってしまうこと。例えば男性が『今日は家でごはんを食べよう』と言ったとします。その時、女性は否定しなかったのに、後から『実は外で食べたかった』などと言う。すると男性は、『なんでその時に言ってくれないんだろう』と理解に苦しむわけです」

うっ!たしかにその場の雰囲気を壊さないために否定しない時ってあるかも(苦笑)。男性に伝わっていないということは、マイナスに働いてしまっているってことですか?

「そうですね。男性をじらすための“本音と建前”ならいいのですが、その場では否定しないのに、後から本音を言う“共感型スタイル”では、男性をがっかりさせてしまっていることがほとんどと言えます。建前を言う時には、少し工夫をしないといけません」

なるほど、“本音と建前”の使い方なんて簡単だと思っていたけど、意外と奥が深い…(汗)。でも、男性をじらすための “本音と建前”なら、有効なんですね!では、男性にデートに誘ってほしい時はどうしたらいいですか?1回目は断るとか、予定が多いふりをするという建前テクニックもありますが…?

「男性からデートに誘われたら、1回目は断るというのは効果的です。男性は追いかける方が好きですから、『あなたの誘いにいつでも乗ります』というオーラは出してはいけません。『誘われてうれしいんですけど、◯◯の予定があって…来月なら大丈夫です』というように、お礼と理由を具体的に伝えましょう。『また、絶対誘ってください』も付け加えるとさらに効果的です」

う〜ん…次に誘われなかったらどうしようと心配になりますが(苦笑)、そこは本音を隠した建前テクニックの方が有効なんですね。じゃあ、関係が進展して告白してほしい時も、建前テクニックが有効ってことですか?

「告白に関しては、話が別です。イマドキは草食系男子が多く、できれば女性から『付き合ってほしいと言ってほしい』と思っているくらいなので、建前で遠回しに匂わせて、男性からの告白を待っていてはダメ。本音を出して、『ほかにもアプローチしてくれている人がいるんだけど、私たちどうする?』とか、『私たち付き合おうよ!』など、積極的にアプローチした方がいいでしょう」

なるほど、告白してほしい時は本音で勝負!ってことですね。では逆に、男性からのお誘いを断りたい時の建前テクニックはどうしたらいいですか?

「断りたい時に、『本当は行きたいんですけど』とか、『その日はちょっと…』などと曖昧に言うと、相手に期待させてしまいます。『最近忙しくてなかなか予定が見えないので、落ち着いたらこちらから連絡します』とか『(二人じゃなくて)みんなで行きましょうよ』という答え方がいいでしょう。2〜3回繰り返せば、乗り気じゃないことに気付いてくれると思いますよ。もし、相手の男性がどうでもいい関係性の人であれば、建前的なことは抜きにして、その場ではっきり『彼氏がいるので』とか『二人きりはちょっと…』と、断っても大丈夫です。男として見ていないことを伝えるのも効果的ですよ」

うんうん、断る時って、ついつい建前的な返事になりがちですが、最初からはっきり伝える方がいい時もあるのですね。誘われたお店が気に入らない時も、建前抜きではっきり言っちゃっても大丈夫ですか?

「もし、デートであれば、男性のプライドを傷つけないことが重要です。男性は自分が誘った店は、“俺の店”くらいに思っているので、『あのお店は嫌い』と本音を言うのではなく、『個性的なお店だったね』と建前的な言い方で伝えましょう」

男性に対する本音と建前のテクニックって、恋愛感情があるかないかで使い方も変わってくるんですね。皆さんも、男と女の駆け引きテクとしてうまく活用してくださいね♪(宮 みゆき)

【取材協力】
伊東 明さん
(株)東京心理コンサルティング代表。ビジネス心理学および男性・女性心理学を専門とし、企業研修やコンサルティング、メディア出演や雑誌連載などで幅広く活躍中。『男は3語であやつれる』(PHP研究所)、『女が結婚するまでに考えておきたいこと』(大和書房)など、70冊以上の著作がある。