インターホンが鳴ったらご注意を…

ひとりで悩むのはNG!ストーカー対処法

“恋愛は自由”とは言いますが、例えば、片想い中の相手を四六時中付け回したり、相手に嫌がられているのに執拗に迫ったりすれば、それは行き過ぎた愛情表現。好意を寄せる側にとっては一途な愛情表現だとしても、度を超してしまえば、される側にとっては単なるストーカー行為になりかねませんよね。よくストーカーについてのニュースなども耳にしますが、実際に“ストーカー”されたことがある人って、どれくらいいるのでしょうか?

そこで、20〜30代の女性にアンケートを実施して、“ストーカー行為”について聞いてみました!まず、「男性からストーカーまがいの行為をされたことはありますか?」との質問に、「ある」と答えた人は35%という結果に。決して多いとは言えませんが、意外にも経験ある人が少なくないことに驚き。どんな行為をされたのか、体験談を直撃してみたところ…

●「別れて半年経つ元カレから、切手の貼っていない手紙がポストに届いたり、『今マンションの下にいるから会えない?』とメールや留守電があった」(26歳)
●「告白をされて断ったら、家と電話番号をどこかで調べあげたらしく、毎日何度も電話をかけてきたり、家の前で待ち伏せされたりして怖かった」(36歳)
●「付き合ってもいない人に家を調べられ、近所をウロウロされたり、家の近くにいると電話がきたりした」(31歳)

など、たしかにちょっとそれは…といった衝撃エピソードがズラリ。“好きになったら止められないのが恋”とはいえ、ストーカー行為をされた本人からすればかなり迷惑ですよね。でも、これって実際にストーカー行為になってしまうのでしょうか?安全生活アドバイザーの佐伯幸子さんに聞いてみました。

「実は“ストーカー行為”には定義がないので、ひとつの行為だけをとって、それがストーカー行為かどうかの判断を下すのは、極めて難しいのです。もちろん違法行為や不法行為があれば別ですが、それ以外は、する側とされる側の関係性、その行為の内容・頻度・回数、また、された側の受け取り方などによって、ケースバイケースになります。強いて言えば、その行為が“社会的にみても相手が困惑する行為”であるか、“常識を逸脱した行為”であるか、もしくは“第三者が考えても異常な行為”であるかが、いわゆる迷惑防止条例やストーカー規制法に触れるストーカー行為かどうかを判断する基準になります」

たしかに、同じ“家の前で待ち伏せ”という行為でも、好きな人にされたらうれしいけど、知らない人や顔見知り程度の人にされたら嫌だと感じるように、“行為”だけでは判断が難しいですよね。では、もしもストーカー行為をされている!と思ったら、どうすればいいの?

「自己防衛の原則はひとりきりで対処しないことなので、まずは第三者に相談して協力を求めることが一番大切です。例えば『相手に直接やめるように言う』つもりなら、ふたりきりで会ったりせずに、第三者に付き添ってもらってください。そして、第三者の人には必ず話し合いの場に一緒にいてもらい、スムーズに話し合いが進むよう、間に入ってもらうようにしましょう。また、『とにかく無視し続ける』という場合でも、事件に発展するような万が一の事態を考え、その時にきちんとストーカー行為があったという事実の証人になってもらえるよう、周囲に事情を話しておくことが大切です。もし、やめるように伝えたり無視し続けても、行為がおさまらずにエスカレートするようなら、更なる対策も必要。男友だちに彼氏のフリをしてもらってやめるよう促してもらったり、上司など相手にとって頭の上がらない人物がいれば、その人に協力を頼むといいかもしれませんね。また、誰かに相談する時や警察に届けを出すような場合には、口頭だけでは状況が伝わりにくいので、“いつ、どこで、どんなことをされたか”などを書面に記録して提示するようにしてください。できればストーカーからの着信履歴など、目に見える証拠があると尚よいです」

なるほど。ストーカー被害にあったら、誰かに協力をお願いすることと、ストーカー行為の証拠を残すことが大切なんですね。勉強になります!でも、できればこうしたストーカー被害には遭いたくないもの。ストーカー被害を未然に防ぐ方法ってあるのでしょうか?

「ストーカー被害を未然に防ぐには、早期発見、早期解決が大切。例えば、元恋人がストーカー化してしまうような場合、そこにはそれなりの理由があることが多いもの。恋人と別れる時には一方的に別れを切り出さず、きちんと話し合うようにして、未然に彼がストーカー化するのを防ぐようにしましょう。また、見知らぬ人からのストーカー被害を最小限に抑えるためには、日頃から周囲に気を付けて行動すること。ひとりで歩いている時には、前方注意や左右警戒はもちろん、誰かに尾行されていないかなど、特に後方に注意して姿勢よく歩くようにしてください。自分ひとりきりの状況なので、周囲360度に目を配り、自分の身は自分で守るつもりで。不審な人物を先に見つけることができれば、知らぬ間に尾行されて自宅の場所を教えてしまうようなことがなくなるので、ストーカー被害を避けられる可能性は高くなりますよ」

まずは危険な芽を摘み取ることが大事なんですね。できることなら、ストーカー被害は未然に防ぐのが一番!自分の身を守るためにも、皆さんも少し気を付けてみてくださいね。(清川 睦子/verb)

【取材協力】
佐伯幸子さん
犯罪被害を防ぐ知的護身術などを伝授し、安全生活アドバイザーとして活躍。また、オールアバウトでは「防犯」のガイドを務めるほか、『これで撃退!ストーカー最強対処術』などの著書もある。
佐伯幸子さんがガイドを務めるオールアバウト:http://allabout.co.jp/gm/gt/71/

【データ出典】
ゼクシィユーザーアンケート「ストーカーや家出について」
調査期間/2010/7/22〜7/26
有効回答数/163人(男女)