カルチャー・エンタメ: WxR
2012.01.26
「この『バラライカ』に限らず、カクテルはシェイクの強さによっても味が変わるんです。とあるお客さんに『君はやさしい性格でしょ? 味でわかるよ』なんて言われた時はうれしかったですね」(大橋さん)。こんなセリフ、一度は言ってみたい
みなさんは寒い時のお酒というと、何を連想しますか? 熱燗の日本酒? お湯割りの焼酎? それともホットウイスキー? なかには極寒のロシアで体を温めようと飲まれるウォッカをイメージする方もいるのではないでしょうか。このウォッカ、いったいどういったお酒なんでしょう?
「ウォッカはロシア、東欧が主な生産、消費国ですね。麦などの穀類やジャガイモをはじめ、様々な原料から造られる蒸留酒です。蒸留を繰り返し、さらに白樺の炭でろ過するという工程を経るため、特有の味、ニオイ、色がほとんど無く、そのクセのなさがある意味で特徴と言えます」(NOKKTONバーテンダー大橋睦美さん)
最後に炭でろ過するという部分以外、日本の焼酎と似ていますね。
「はい。そしてこのクセのなさから、カクテルのベースに使われることも多いお酒なんですよ」
そうですか。ではさっそくですが、初心者にオススメのカクテルを教えてください。
「定番カクテルの一つ『バラライカ』はいかがでしょうか。ウォッカとオレンジリキュール、レモン果汁をシェイクして作るカクテルです。甘すぎず、レモン果汁の酸味でさっぱりした味を楽しめます。アルコール度はカクテルのなかではちょうど中間ぐらいですね。材料の比率の微妙な違い、シェイクの強さでもかなり味が変わるのでバーテンダーの技術や味の方向性もわかりますよ」
では、それを一杯。ゴクリ。アルコールはあまり感じず、なんだかレモンジュースのような…あ、でもあとからしっかりアルコールの酔いがやってきます。他にオススメはないですか?
「そうですね、さっぱり系とはまた違う方向性のものから挙げてみると…『ブラックルシアン』なんかはいかがでしょうか。ウォッカとカルーア(注:コーヒー味の甘いリキュール)で作るカクテルで、さらに生クリームのせると『ホワイトルシアン』になります。見た目、味ともスイーツのようなところもありますから、男性が女性に選んであげてもいいですね。ただしアルコール度数はかなり強いですから、そこはご注意ください」
なるほどね。これ、悪用禁止なカクテルですね。
「ただ、カクテルのベースに使われることが多いと言いましたが、最近、特に欧米では材料、製法にこだわった“プレミアムウォッカ”をストレートで楽しむ、という流行りがあります。普通のウォッカに比べて甘み、風味を感じるまろやかな味なんですね。冷凍庫で霜がつくまで冷やしてショットで飲む、というスタイルもカクテルとあわせておすすめしておきます」
へえ。ウォッカって味にこだわって云々というより、とにかくキツくて酔えるお酒、というイメージがあったので意外です。偏見でしたね。
「欧米の酒場には『デキる男の3つの条件』という話があるようですよ。ジンを飲む力強さ、ウォッカを飲む経済力、そしてシガーを楽しむゆとり…。この3つがそろってはじめてイイ男、出来る男といわれる…そんな話です。意外かもしれませんが」
へ~。なんか、これぐらいなら俺だって出来そうです…いや“デキる男”が、さらにこれらを嗜む姿が良く見えるのか。酔っ払いが、むせるのを我慢しながら葉巻をくゆらせればそれでデキる男として見られるかといえば…そんなわけはないですね。
はい、そろそろ切り上げて帰って寝ます。
(宇都宮雅之)
ボトルもおしゃれなプレミアムウォッカ。我々にはウォッカのイメージがないフランス産のものも多い